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現金給付措置にも「バラマキ」の声 給付付き税額控除の整備間に合わず
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:02/03/2012 提供元:エヌピー通信社
消費増税を柱とした「税と社会保障の一体改革」で、2014年4月に消費税率を8%に引き上げた際の給付措置が論点となりそうだ。民主党内では、過去の消費増税時に実施した現金給付を参考に、低所得者中心に1人1万円を支給する案が浮上しているが、安易な給付は「バラマキ」との批判を招きかねず、与野党協議の新たな火種にもなりかねない。
消費税は、所得額にかかわらず一律の税率負担となるため、低所得者などの負担感が重くなる「逆進性」問題を抱える。一体改革素案では、納税者の所得把握の強化を目的とする共通番号制度の導入(15年以降)を前提に、税金還付や現金給付などを行う「給付付き税額控除」を実施すると明記した。しかし、8%への引き上げ時には間に合わないため、それまでは現金給付などを行う方針だ。
給付対象者や支給額などは決まってないが、消費税を導入した89年や税率を3%から5%に引き上げた97年には「臨時福祉給付金」を実施した経緯がある。当時は高齢の低所得者や生活保護受給者らに1万円を支給しており、支給総額は645億~948億円。党内では、増税への反発を抑えるために、同様の措置を求める声が上がっている。
政府内では当初、現金給付のあり方を与野党協議の「のりしろ」とし、野党の要望を反映させる意向だった。ただ、低所得者の年金支給は、消費増税に合わせて増額する方針も既に決まっており、新たな現金給付は「二重払い」となる可能性もある。民主党の新年金制度を巡り与野党対立が続く中、あいまいな制度設計では、かえって野党側から追及される可能性もある。
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