日本郵政が新規業務で出遅れ かんぽの保険金不払いが原因
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:04/05/2013  提供元:エヌピー通信社



 改正郵政民営化法成立から11カ月が経過したが、日本郵政が新規業務を始められない状態が続いている。かんぽ生命保険の保険金不払い問題が尾を引き、「4月(からの新規業務の開始)はちょっと考えられない。とてもそんな状況になっているとは思えない」(麻生太郎財務・金融担当相)と待ったがかかり、総務省・金融庁による審査が長引いているためだ。日本郵政は信頼回復に向け、支払い管理体制の強化に取り組んでいるが、「目玉商品」と位置づける新規業務の道筋がつかないまま新年度を迎えることになり、当初の経営計画の大幅な見直しが必要になりそうだ。

 日本郵政が、収益の柱と位置付けているゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社は昨年9月、死亡保障を薄くする代わりに保険料を抑える改定版学資保険(かんぽ)、個人向け住宅ローン・自動車ローン、中小企業向けの協調融資(ゆうちょ)を「4月に開始したい」と国に申請したしかし、かんぽの保険金不払い問題が発覚。金融庁が銀行業務でも審査体制の不備を指摘し、すべての新規業務について、「4月開始」を断念した。

 日本郵政は、新規業務による効果を、学資保険は改定版発売で年間10万件の契約増、大手法人向け融資の目標残高は17年度末で3500億円――と見積もっていた。このため「13年度の経営や、上場計画への影響は避けられそうにない」(金融アナリスト)のが実情で、政府保有の日本郵政株売却にも影響が及びそうだ。