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「黒田日銀」で金利急低下 株式市場は高値を記録
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:03/08/2013 提供元:エヌピー通信社
政府が日銀の次期総裁候補として、黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁、副総裁候補に岩田規久男・学習院大教授と、積極緩和派2人を提示したことを受け、国内債券市場では国債が一段と買われ、長期金利(新発10年物国債の利回り)は一時、年0.6%を割り込み、9年8カ月ぶりの低水準となった。アベノミクスの下、円安・株高、しかも金利低下と景気回復には三拍子そろった望ましい展開だが、「市場ごとに思惑が食い違っている。今の状況がいつまでも続くとは思えない」との見方も浮上している。
債券市場で国債が買われているのは、衆参の同意を得て、「黒田日銀」がスタートすれば、金融緩和策として日銀がこれまで以上に国債を買い増すと見られているためだ。年度末とあって、もともと国債の在庫を増やそうという動きが強いところに、日銀の購入増額の思惑が加わり、国債が〝品薄〟になるとの見方から、銀行勢などが積極的に国債を購入。これに伴い金利は急低下している。ただ、ひとたび金利が上昇すれば、国債の価値は下がり、損失が出る。それでも足元で銀行勢が買いを強める背景には「いくら金融緩和しても、日銀の物価目標2%の達成は困難」との読みがある。
一方、株式市場は順調に上昇している。ニューヨーク市場が過去最高値となるなど世界株高の追い風もあるが、日経平均株価はリーマンショック後の最高値を記録。為替市場も、変動幅は円安・株高は、企業業績を向上させ、低金利は設備投資にプラスに働くため、景気回復にはもってこい。ただ、金融緩和の効果をめぐっての各市場の見方は正反対とも言える状況で、市場からは「たまたま幸運な展開になっているだけ」との声も漏れる。この幸運は参院選まで続くのか。安倍政権にとって長期政権が見えるかどうか、消費増税が予定通り実施されるかどうかを占うカギになりそうだ。大きいながらも1ドル92から93円台で取引されることが多く、株式と為替の両市場は、日銀の緩和による景気回復や物価上昇を予想している形。「物価上昇は難しい」と見る債券市場とのコントラストが強まっている。
円安・株高は、企業業績を向上させ、低金利は設備投資にプラスに働くため、景気回復にはもってこい。ただ、金融緩和の効果をめぐっての各市場の見方は正反対とも言える状況で、市場からは「たまたま幸運な展開になっているだけ」との声も漏れる。この幸運は参院選まで続くのか。安倍政権にとって長期政権が見えるかどうか、消費増税が予定通り実施されるかどうかを占うカギになりそうだ。
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