自民税調 税制改正に向けて勉強会 野田会長が「消費増税タブー視」批判
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:10/25/2013  提供元:エヌピー通信社



 自民党税制調査会(野田毅会長)は10月23日、主に新人議員を対象にした勉強会を実施した。11月中旬までに所得税や法人税、消費税など計6回開催するもの。昨年の衆院選や今年の参院選で新人議員が大幅に増加したことから、若手議員に対して税制や財政の基礎的な知識を習得してもらい、年末の税制改正議論に向けた環境作りを行う。

 初回の23日は、野田会長が基調講演を行った。「ミスター税調」と呼ばれた山中貞則元税調会長に新人議員の頃から薫陶を受けてきたという野田会長は「税は政治の基本であり、政治そのものです」と語った。

 野田会長は日本の消費税導入の歴史も説明。大平正芳首相(当時)が財政再建への道筋をつけるために1979年に消費税導入を閣議決定したが、世論の反発を受けて断念。87年に中曽根康弘首相(当時)が売上税法案を提出するも、廃案になった。「竹下さんが長い間、この問題に携わり、自分の身を犠牲にして決断して頑張って初めて消費税ができた」と、野田会長は89年4月に初めて消費税を導入した竹下登元首相の功績を強調する。

 消費税収は99年度以降、基礎年金、老人医療、介護の高齢者3経費に充てることになったが、3経費を消費税収で賄うには13年度で10兆円以上の財源が足りない状況だとされる。「社会保障の安定した設計ができないということは皆分かっているが、消費税率8%の次は10%で、その先はとても公言できない状況だ」と消費増税がタブー視されている現状を野田会長は批判。「つけを先延ばしにしてきた。与党の政治家は今後、大変な苦しみを味わうことになるが、先輩方の怠慢だと言わざるを得ない」と嘆いた。