鹿児島県の路線救済策に非難 税金使って職員らに上海旅行プレゼント!?
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:07/05/2013  提供元:エヌピー通信社



 鹿児島県が、赤字が続く国際線の「鹿児島―上海」路線を存続させる目的で、県職員と県民の合計1千人を中国・上海に研修派遣するとして、その事業費用1億1800万円を補正予算案に計上した問題で、県議会は6月29日未明までに、派遣人数を300人に減らした補正予算修正案を賛成多数で可決した。

 修正案は、上海便存続の緊急対策として7~9月の3カ月に県職員、教職員、県民から各100人を研修名目で上海に派遣(3泊4日)する内容。参加した職員には1万5200円の日当が支払われる。事業費3400万円は財政調整積立基金から繰り入れるとした。

 長期の人口減に加え観光客も微減傾向にある鹿児島。経済発展を続ける中国からの観光客をターゲットに、鹿児島―上海線(中国東方航空)が浮上し、県や経済団体が誘致活動を展開、2002年8月に就航した。04年以降、利用者は年間1万6千人台~1万9千人台で推移していたが、昨年9月、一連の尖閣問題が起き利用者が激減。10月の月間利用者は前月比31%減の746人で、11月は458人に落ち込んだ。今年2月は1129人とやや持ち直したが、4月の鳥インフルエンザの流行で、5月は再び383人に減った。安定的な路線維持の目安となる年間搭乗率は60%だが、12年は47.5%で「極めて厳しい」(県交通政策課)状況になっている。

 苦戦が続く航空路線の救済策として、研修名目で職員を海外派遣することについて、伊藤祐一郎知事は「全国的に例がない」と胸を張ったが、県民からは「税金の無駄遣い」といった抗議のメールや電話が殺到。議会でも反対意見が相次ぎ紛糾した。鹿児島では08年に就航した鹿児島―香港線(香港エクスプレス)が、1年も待たずに休止に追い込まれている。