消費支出が9年ぶりの伸び率 総務省 3月の家計調査
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:05/10/2013  提供元:エヌピー通信社



 アベノミクス効果を背景に、日本経済の緩やかな回復傾向を示す統計結果が続いている。総務省が4月30日に発表した3月の家計調査(2人以上の世帯)では、1世帯当たりの消費支出が31万6166円で、物価変動を除いた実質で前年同月比5.2%増加した。前年同月を上回るのは3カ月連続で、2004年2月(5.3%増加)以来、9年1カ月ぶりの高い伸び率となった。

 住宅の修理や維持にかける支出が23.7%増となり、全体の伸びに寄与した。自動車関係費や携帯電話通信料も増加。腕時計やハンドバッグなど高級品を含む「身の回り用品」の消費も伸びた。

 自営業などを除いたサラリーマン世帯の消費支出は35万957円で、前年同月比7.6%増加した。前年同月を上回るのは14カ月連続。実収入は1.8%増の44万4379円だった。

 生産も緩やかに回復しつつある。経済産業省が同日発表した3月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は89.8と前月比0.2%上昇し、4カ月連続のプラスとなった。円高是正を背景に、海外向けの生産が増えたため。経産省は生産の基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」とし、前月までの「下げ止まり、一部に持ち直しの動きがみられる」から引き上げた。基調判断の上方修正は2カ月ぶり。

 業種別にみると、化学、電子部品・デバイス、情報通信機械などが上昇した。

 また、生産予測調査によると、4月は前月比0.8%の上昇、5月は同0.3%の低下を見込んでいる。