安倍首相消費増税再延期に言及「世界経済の大幅な収縮」が条件
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:02/26/2016  提供元:エヌピー通信社



 来年4月に予定される消費税率10%への引き上げをめぐり、安倍晋三首相(写真)は2月24日の衆院財務金融委員会で延期の条件に「世界経済の大幅な収縮」を挙げるなど、増税の是非が国会論戦の焦点となっている。

 同委員会では共産党や維新の党など野党が景気に対する影響への懸念から消費税の増税を見送るよう要求。これに対し、首相はリーマン・ショックや大震災のような「重大な事態」が発生しない限り、「確実に実施していく考えだ」と繰り返し強調した。

 消費税率を8%に引き上げた際には、有識者を集めた会議を連日開催して意見を求めたが、10%へ引き上げる際には同様の会議を開催する考えがないことにも言及し、「景気判断を行うことは考えていない」と述べた。

 ただ、首相は増税延期の条件となる「重大な事態」について、「世界経済の大幅な収縮が実際に起こっているかどうかについて、専門的な見地から行われる分析も踏まえて、その時の政治的判断において決められる事項だ」と指摘した。増税を予定通り実施するどうかは、政権が世界経済の状況を「大幅な収縮」と判断するかどうかが焦点となるというわけだ。

 来年4月は消費税率10%への引き上げとセットで軽減税率制度の導入が予定されており、増税が見送られれば導入準備は不要になる。首相は増税を見送る場合の判断時期を問われ、「現時点で止めると考えているわけでないので、どのタイミングかは申し上げられない」と明言を避けた。