G7が緊急電話協議 欧州債務危機の解決に各国協力姿勢 日本の為替介入には異論なし
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:06/08/2012  提供元:エヌピー通信社



 日米欧の先進7カ国(G7)は5日夜、財務相・中央銀行総裁による緊急の電話協議を開いた。共同声明の発表はなく、G7として具体的な対策は打ち出せなかったものの、欧州債務危機の解決に向け、当事者である欧州各国が一層の自助努力を進めることを確認、動揺の続く金融市場に協調姿勢をアピールした形となった。また、安住淳財務相は急激な円高への懸念を表明、為替介入への理解を求めた。

 電話協議には、日本から安住氏と白川方明日銀総裁が参加。

 協議後、記者会見した安住氏によると、1時間超の議論のほとんどを欧州債務危機問題の対応に費やしたという。また、米国などは、「ユーロ圏のドイツやフランス、イタリアに公的資金の投入を含めた欧州金融機関の資本増強などを急ぐよう求めた」(国際金融筋)とみられる。

 欧州勢は、危機打開に向け「スピード感をもって取り組む」と強調。他の参加国は欧州の取り組みへの支持を伝え、危機の震源となっているスペイン、ギリシャの財政不安の克服に向け、協力することを確認した。

 日本側は急激な円高が「日本経済に非常に大きなダメージを与えている」と指摘。昨年9月のG7の声明文に盛り込まれた「為替相場の過度の変動は経済の安定に悪影響を与える。我々は為替市場での行動に関し緊密に協議し、適切に対応する」との合意を改めて共有するよう求めた。他の参加者から異論は出なかったという。