消費者物価指数 増税後初の横ばい 家庭の消費11カ月連続減
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:04/03/2015  提供元:エヌピー通信社



 物価や消費、生産の動向を示す2月の経済指標が3月31日までに出そろった。総務省が発表した消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、2010年=100)は、前年同月より2.0%上昇したが、14年4月の消費増税の影響を除くと0.0%で、増税後初めて横ばいになった。原油価格の下落が響いた。消費支出や鉱工業生産指数なども精彩を欠き、デフレ脱却や景気回復がはっきり見通せない状況が続いている。

 消費者物価の上昇幅は1月(2・2%)から0.2ポイント縮小した。電気代や宿泊料などは上昇した一方、ガソリンや灯油などが前月から下落幅を拡大し、上昇を鈍らせた。増税の影響(日銀の試算で2%)を除いた実質では、13年5月以来の横ばいになった。物価上昇を下押しする原油価格の下落で今後も電気代などが下がる見通しで、夏場にはマイナスに転じる可能性がある。

 総務省が発表した2月の家計調査では、1世帯(2人以上)当たりの消費支出が、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比2.9%減だった。消費増税の影響が長引き、前年を下回るのは11カ月連続。国土交通省が発表した2月の新設住宅着工戸数も、同3.1%減の6万7552戸にとどまった。

 経済産業省がまとめた2月の鉱工業生産指数速報値(2010年=100)は98.9と、前月比で3.4%低下した。1月に伸びた工場関連機械などの反動減が影響した。

 経済成長のカギを握る個人消費は増税後、低迷が続いている。今後の見通しについて、ある国内エコノミストは「原油価格の下落が家計を助けて消費は持ち直す。ただ、物価上昇を目指す日銀には当面逆風が吹きそうだ」と指摘している。