消費税 軽減税率導入時期 「10%段階での導入目指す」
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:01/25/2013  提供元:エヌピー通信社



 消費増税に伴う低所得者対策を話し合っていた自民・公明両党が、特定品目の税収を抑える軽減税率の導入時期について「10%段階での導入を目指す」ことで一致した。10%段階になってからの本格検討を打ち出していた自民党と8%段階からの導入を要求していた公明党との主張の溝は深く、10%段階での導入も明治できない「玉虫色」の決着で落ち着いた。

 財務省の試算では、消費税10%段階で軽減税率を課税対象の3分の1を消費税5%に据え置いた場合、標準税率を12.5%にしなければ、軽減税率を導入した場合と同じ税収を得ることができない。消費税は社会保障目的税と位置付けられ、軽減税率を導入すれば、その分、社会保障に使える財源が少なくなるため、自民党は8%はおろか、10%段階での軽減税率の導入にも否定的だった。

 また、軽減税率は事業者が取引にかかる消費税などを書類で証明する「インボイス」方式を導入することで取引がスムーズになるとされ、14年4月の8%段階の軽減税率の導入は、事業者に事務負担を負わすことになり、自民党内には慎重論が根強かった。

 一方、公明党は昨年の衆院選で消費税8%からの軽減税率の導入を公約に掲げたこともあり、8%段階からの導入は譲ることのできない一線だった。それでも自民党の姿勢は揺るがず、与党税制協議会の終盤からは、「10%段階からの導入の確約」まで主張を後退させたが、導入の確約を合意文書に盛り込むことはできなかった。