日銀がマイナス金利でお粗末な解説「預金者の感情を逆撫で」と大不評
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:04/15/2016  提供元:エヌピー通信社



 日銀のマイナス金利導入から約2カ月、銀行関係者の間で不満が高まっている。金利低下が銀行収益を圧迫し、3メガバンクが今春闘でのベースアップ(ベア)を見送るなど影響が広がっていることに加え、日銀がウェブサイトに公開しているマイナス金利政策の解説ページの内容が「あまりにひどい」などと不興を買っている。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズの試算では、マイナス金利の導入により、本業のもうけを示す業務純益が大手銀行で初年度に8・38%、地方銀行で同15・14%それぞれ押し下げられる。メガバンクの労働組合は今春闘で「貸出利回りの低下など収益環境の悪化が見込まれる」としてベア要求自体を見送り。銀行株が一時全面的に売られる事態となった。

 こうした中、日銀は3月下旬、自行サイトに「5分で読めるマイナス金利」と題したQ&A形式の解説ページを公開。「政策の仕組みや狙いを一般預金者らに理解してもらう」(日銀幹部)のが目的という。

 しかし、マイナス金利の影響について「銀行が損しない?」との問いに、「たしかにもうけは少なくなります」とした上で、「でも大丈夫。マイナス金利にするのは一部だけにして、あまり銀行が困らないようにしました」などと回答。「日本の金融機関は、とても健全です」と持ち上げているが、収益への影響が大きい地銀からは「横柄だ(幹部)」と反発が上がる。

 また、預金金利の低下が消費を冷やす懸念について「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということ。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね」と回答。続く「もともと200円しかもらえなかったんだ。それがひどいんじゃない?」との問いに「そのとおりですね」と応じている。

 あるメガバンク幹部は「銀行が預金金利を低く設定してきたことを批判するだけならまだしも、預金者の感情も逆撫でする言いぶりだ」と批判している。