|
一体改革民主党案 ドタバタの末に執念の年内決定 調整能力への疑問残る
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:01/13/2012 提供元:エヌピー通信社
消費増税を柱とした「税と社会保障の一体改革」の民主党案決定は年末までもつれ込んだ。党内の増税反対論が根強い中、最後には野田佳彦首相自ら党税制調査会(藤井裕久会長)に乗り込み執念の説得を続けたことが奏功した。一方、党税調執行部は反対論に押されて、土壇場になって年越し決着を模索するなど方針が二転三転し、調整能力に大きな疑問を残した。
一体改革議論が本格化する前、藤井会長は内外で「初日の出までかかっても議論をまとめる」と年内の意見集約に向けた強い決意を示していた。実際に12月中旬に始まった総会での議論でも、強硬な反対論は少なく「順調」だった。
しかし、12年度当初予算案策定で、民主党が建設中止を訴えていた八ッ場ダムの条件付き容認を政府が決めると流れは一転。反対派はこれ幸いと「マニフェスト違反を犯しながら国民に増税を求められない」と声高に主張した。一部議員の離党の動きも広がると、浮き足だった党税調は27日昼の役員会で、野田総理が記者団に「年内に取りまとめる」と述べた直後にもかかわらず、「13年10月に8%、15年4月に10%」とする党税調案の年内提示を見送る「越年論」に傾いた。
しかし同日午後の会合では、反対派の議員からも「具体案を提示しないとマスコミにたたかれる」と不満が相次いだ。結局28日には具体案を提示し、翌29日の総会で野田首相出席の下、党内合意に何とかこぎつけるドタバタぶり。反対派に配慮し増税時期を半年ずらしたが、15年度の政府の財政健全化目標の達成も難しくなった。
|
|