ますます便利になるコンビニエンスストア
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:11/15/2002  提供元:税務研究会・税研情報センター



 コンビニエンスストア(以下コンビニ)各社で、公共料金などの支払いを受け付ける決済が急速に拡大している。いつでも好きな時に支払いができる利便性など、銀行や郵便局にはないサービスを受けられることが最大の要因だろう。支払い可能な費目も徐々に増えており、その中でも自動車税などの地方税を納付できる方向で動いていることは各方面から注目されている。

○決済窓口としてのコンビニ

 東京電力では個人が支払う電気料金の11%、東京都水道局では13~14%がコンビニで支払われるようになった。NTTドコモの携帯電話通話料もコンビニ決済が1割前後、さらに決済の対象は生命保険・損害保険料、消費者金融からの借入金返済、通信販売の購入代金、航空券や高速バスの料金、大学入試や英語検定など各種試験の受験料など多岐に広がっている。

 ネットで書籍を販売しているイーエスブックスでは、セブン-イレブンまで届けてもらう場合には、送料が無料になるなどのサービスが受けられる(ユーザーの自宅に直接配達する場合には送料が必要)。自宅近くのセブン-イレブンまで届けてもらえば、送料もかからず、いつでも取りにいくことが可能である。

 このように、コンビニの利便性をあらゆる方面から検証し、ビジネスチャンスとして新たなサービスを生み出している。



○税金まで納付可能になるコンビニ窓口

 こういった状況の中、総務省は、銀行などの金融機関や郵便局の窓口でしか納付できない自動車税などの地方税を、コンビニでも納付できるようにする方針を発表した。早ければ来年の通常国会で地方税法や地方自治法などを改正し、2003年度中に実現する方向で検討されている。

 地方税の収納事務のコンビニ委託は、地域を限定して規制緩和する構造改革特区に対する是正案として、埼玉県草加市などが解禁を求めている。総務省は納税者の利便性を考慮すれば、地域を限定せず全国一率で認めた方が良いと判断し、政府の総合規制改革会議で整備を検討する方針を発表した。

 自治体がコンビニに地方税の収納を委託できれば、深夜や休日でも税の支払いが可能になり、利便性は急速に高まる。

 総務省は、法律上、幅広い税目についてコンビニでの納税を認め、具体的にどの税目の収納をコンビニに委託するかは、各自治体の判断に任せる意向である。

 人々の活動時間がますます夜遅くなる傾向にある。それに合わせ、深夜帯のサービスを行う企業も増えてきたが、ユーザーの利便性を追求すれば当然の結果だろう。これに対し、国の取り組みは、民間ほどフレキシブルに働いているとは言えない。こういったユーザー本位のサービスが増えていくことに期待したいものである。

【ニュースアンテナ12月号 税研情報センター】