平成26年賃金引上げ等の実態
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:03/12/2015  提供元:税務研究会・税研情報センター



 中小企業を含む全企業の約8割に賃金増加が認められる結果となりました。


●調査結果の概要




 厚生労働省で実施された、平成26年「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果が昨年12月に公表されました。

(1)賃金の改定の実施状況

 平成26年中に1人平均賃金を引き上げる企業は83.6%(前年79.8%)、引き下げる企業は2.1%(同2.5%)、賃金の改定を実施しない企業は9.7%(同12.9%)となっています。平成26年中における1人平均賃金の改定額(予定を含む。)は5,254円(前年4,375円)、改定率は1.8%(同1.5%)となりました。
 

 改定状況について企業規模別にみると、1人平均賃金の改定額は、5,000人以上の企業で、6,044円(同4,891円)、1,000~4,999人は6,126円(同4,732円)、300~999人は4,844円(同4,022円)、100~299人は4,229円(同4,131円)となり、いずれも前年を上回る結果でした。

(2)定期昇給等の実施状況

 賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業で定昇制度ありの企業のうち、平成26年中に定期昇給を行った、又は行う予定の企業は、管理職66.1%(前年59.4%)、一般職74.3%(同70.3%)で、管理職、一般職ともに前年を上回りました。また、平成26年中に賃金カットを実施し又は予定している企業は9.0%(前年14.5%)と、前年より減少しました。


●中小企業の賃金・退職金事情

 東京都が毎年実施している、従業員10人~300人未満の都内中小企業のみを対象とした賃金についての調査結果が昨年12月に公表されています。調査時点の平成26年7月31日現在の公表結果によると、調査産業全体の平均は、平均年齢41.2歳(前年41.4歳)、平均勤続年数11.0年(同10.2年)、7月1ヵ月の平均所定時間内賃金353,431円(同334,535円)、所定時間外賃金32,602円(同25,457円)という結果でした。賞与支給について、平成26年調査では、支給額合計927,886円(前年834,347円)、支給月数合計3.09月(同2.97月)と前年を上回りました。

 調査対象企業の定年制度について、全員一律定年制を敷いている企業が全体の86.5%を占め、平均定年年齢は60.8歳、定年後の再雇用制度を採用している企業は全体の85.5%、再雇用後の賃金は定年時より低下と回答した企業が全体の94.1%という結果です。また、退職金制度は、調査対象企業の78.9%が「退職金制度あり」と回答し、退職一時金の支払準備形態(複数回答)は、社内準備が68.4%、中小企業退職金制度45.2%、退職金保険9.2%という結果となりました。

【ニュースアンテナ3月号 税研情報センター】