クラウドサービスの利用動向
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:08/11/2015  提供元:税務研究会・税研情報センター



クラウドサービスを利用している企業の割合は33.1%となりました。

●国内クラウドサービスの利用動向

 クラウドサービスとは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウエアをネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するサービスのことです。利用者側が最低限の環境を用意することで、どの端末からでも、さまざまなサービスを利用することができるようになります。クラウドサービスを利用することで、これまで機材の購入やシステムの構築、管理などにかかるとされていたさまざまな手間や時間の削減をはじめとして、業務の効率化やコストダウンを図れるというメリットがあります。

 平成26年版情報通信白書によると、国内においてクラウドサービスを一部でも利用していると回答した企業の割合は33.1%であり、平成24年末の28.2%から4.9ポイント上昇しています。資本金規模別に利用状況をみると、資本金50億円以上企業では5割を超える利用状況です。クラウドサービスの利用内訳でみると、「電子メール」が50.0%と最も高く、次いで「ファイル保管・データ共有」(45.6%)、「サーバー利用」(41.1%)となっています。

 クラウドサービスの導入理由は、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が38.8%と最も高く、次いで「初期導入コストが安価だったから」(36.9%)となっており、主に機能面及びコスト面からの理由が挙げられています。一方、クラウドサービスを利用しない理由として、「必要がない」が42.8%と最も高く、次いで「情報漏洩などセキュリティに不安がある」(37.4%)、「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コスト
が大きい」(22.9%)となっています。
  
●クラウドサービス市場の動向

 クラウドは設置場所に依存せずにサービスをグローバルに展開できるため、グローバル企業にとって経済性の高い情報通信システムを構築する上で重要なインフラになりつつあります。また、クラウドのニーズ・需要が広がるとともに、この分野には様々な企業が参入しており、クラウド化するサービス範囲に応じて複数のビジネスモデルが提供されています。このような法人向けのクラウドサービスの世界市場は、平成25年版情報通信白書によると2010年の約410億ドルから2016年には約1,080億ドルに成長すると予測されています。

 クラウド市場は今後さらに拡大することが予測されていますが、セキュリティに対する不安やクラウドにかかるコスト、運用面での難しさが利用障壁になっています。クラウドサービス利用における支援体制がますます必要となるでしょう。

【ニュースアンテナ8月号 税研情報センター】