ゆうパックはOK? NG? 提出期限間近には要注意
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:01/28/2011  提供元:エヌピー通信社



 いよいよ確定申告シーズン到来だ。申告の手段としてe-Taxに完全に移行した税理士も少なくないが、場合によっては郵送などにより提出している人も多い。

 郵送の際に気をつけなくてはならないのが、その手段だ。確定申告書類は「信書」に当たり、信書は郵便で出すよう定められている。「信書」というのは、書状や納品書など、一般的にイメージされる郵便類のこと。かつては「ゆうパック」なども、郵便の扱いだったため、問題なく申告書提出に利用できていた。だが、平成19年に郵政事業が民営化されてから、「郵便法」が適用されなくなり、扱いが宅配便貨物に。これにより、「信書」を送ることができなくなってしまった。

 といっても、ゆうパックだからといって受け取りが拒まれることはない。しかし、これにより注意しなければならないのは、提出日が「発信主義」から「到着主義」へと変わってしまったことだ。

 申告書の提出は期限が厳格に規定されているが、郵便の場合「消印」が期限内ならばOKである一方、宅配便は「到着日」が期限内でなければならない。

 この期限については審判所に審査請求された例も多く、民間のメール便を使った結果、配送ミスで期限が過ぎたのは期限内に送れなかった正当な理由となると争った例(平18・3・27)や、集配時間前後に郵便ポストに投函したところ消印が期限翌日となったが、これは郵便局の事情なので期限内に送れなかった正当な理由となると争った例(平9・3・27)などがある。しかし、いずれも「期限内に間に合うように送る責任は納税者にある」として訴えは退けられている。