10月の経済指標 軒並み悪化 消費再増税の先送り論加速
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:11/14/2014  提供元:エヌピー通信社



 内閣府が発表した10月の消費関連指標が相次いで悪化した。景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は前月比3・4ポイント低下の44.0と2カ月ぶりに低下。内閣府は今年4月以来6カ月ぶりに基調判断を引き下げた。消費動向調査では、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が前月比1.0ポイント低下の38.9と3カ月連続で低下。基調判断を「足踏みがみられる」から「弱含んでいる」に下げた。判断引き下げは3カ月連続で、2009年10~12月以来だ。

 今年4月の消費増税後の消費低迷の長期化と先行きへの懸念の強まりを改めて裏付けた。永田町・霞ケ関では、7~9月期国内総生産(GDP)の発表を前に、年内解散・消費再増税先送り論が吹き荒れているが、こうした動きを加速させた。

 景気ウオッチャーの基調判断は前月の「緩やかな回復基調が続いており、駆け込み需要の反動減も薄れつつある」から「このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」に変更した。調査では「消費を控えたり、より安い店を探したりする客が増え続けている」(中国地方の自動車販売店)、「悪天候の影響を差し引いても、宝飾品など高額品の販売点数が激減している」(東海の百貨店)、「原料高がますます厳しく、(製品を)作れば損をする」(北関東の食品メーカー)などの意見が出た。

 2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数も前月比2.1ポイント低下の46.6で、5カ月連続の悪化。今後の電気料金の値上げや消費再増税を懸念する声が出た。

 消費者態度指数は、構成する全4項目すべてが2カ月連続で悪化した。このうち「雇用環境」は前月比1.9ポイント、「耐久消費財の買い時判断」が同1.3ポイント、「暮らし向き」が同0・7ポイントそれぞれ低下。消費増税に加え、円安による輸入食料品の値上がりが家計を圧迫したとみられる。1年後の物価見通しが「上昇する」との回答も0.5ポイント増の87.5%となり、4カ月連続で上昇した。