GDP上方修正 消費増税がさらに現実味 市場の乱高下は依然続く
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:06/14/2013  提供元:エヌピー通信社



 1~3月期の国内総生産(GDP)の改定値が発表され、物価変動を除いた実質成長率は前期(12年10~12月期)比1・0%増、1年続いた場合の年率換算では4・1%増と4%に乗り、5月発表の速報値(前期比0・9%増、年率3・5%増)から上方修正された。安倍政権は経済成長を来年4月からの消費税増税の条件としており、増税の可能性がさらに強まったといえる。

 実質成長率が年率4%台になるのは、東日本大震災の復興需要が成長を押し上げた昨年1~3月期の4・8%以来。プラス成長は2四半期連続。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で、減少が続いていた企業の設備投資が下げ止まりつつあることを反映し、景気の回復基調が改めて浮き彫りになった。

 設備投資はプラント関連や産業機械を中心に上昇修正され、前期比0・7%減だった速報値が同0・3%減に改善した。在庫投資は、自動車の生産が拡大して在庫が増えたことで、GDPへの寄与度が0・2%減から0・02%減と上方修正された。

 民間シンクタンクの多くは、円安による輸出の回復が期待でき、消費税増税前の駆け込み需要による個人消費や住宅投資が加速し、設備投資のさらなる回復も見込めることから、4~6月も成長基調は維持されると見込んでいる。

 GDPが発表された10日は、成長率の上方修正も好感して600円以上値上がりした。しかし、一時は100円を超えた円相場が1ドル94~95円台に値上がりすると株価も大幅に下落するなど、市場の乱高下は依然として続いている。