経営者保証ガイドライン企業の半数「知らない」地銀融資先調査
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:03/18/2016  提供元:エヌピー通信社



 全国の地域金融機関の貸出先企業に対する金融庁の聞き取り調査で、回答企業の半数が「経営者保証に関するガイドライン」について「(銀行から)説明がなかった」「知らなかった」と答えていることが分かった。また、信用保証協会を利用している企業の7割が「金融機関に勧められた」と回答。債務者区分がより低い企業ほど同協会を多く利用している傾向も判明した。

 調査は昨年9月、全国各地の企業約1000社を対象に開始。そのうち回収した751社分の回答を中間報告としてまとめ、このほど公表した。

 銀行が中小企業に融資する際、経営者の個人保証を極力求めないことなどを定めた「経営者保証に関するガイドライン」を金融機関がどの程度活用しているか聞いたところ(複数回答可)、回答した710社中、「ガイドラインの存在を知らなかった」が191社、「個人保証をして融資を受けたが、銀行から説明はなかった」が116社に上り、「融資の機会がなく説明を受けたことはない」の79社を合わせると全体の54%に上った。

 また、信用保証協会の保証が得られなかったことで融資を断られたことがある企業も30社あり、理由は「赤字などによる資金不足」が20社を占めた。同協会の利用状況を債務者区分別に見ると、「正常先」の上位企業では3%にとどまるのに対し、下位では55%、「要注意先」では71%と比率が高く、金融機関がリスクの高い貸出先には依然として保証を求め続けている実態が浮かんだ。