政府 成長戦略第2弾 景気減速の緩和狙い
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:09/13/2013  提供元:エヌピー通信社



 来年4月に予定される消費税の増税を巡り、安倍晋三首相は10日の閣僚懇談会で、麻生太郎副総理兼財務・金融相と甘利明経済財政担当相に対し、9月中に成長戦略第2弾などを含めた新たな経済対策をまとめるよう指示した。10月1日に増税を決断した場合、来年4~6月期の国内総生産(GDP)成長率は減速する見込みで、景気減速を緩和する対策を示すのが狙いとみられる。

 閣僚懇で首相は「今後、経済成長を確かなものとし、その果実を全国津々浦々に届ける経済運営のため、経済運営に万全を期していく必要がある。成長戦略を含めた力強い施策を、経済政策パッケージとしてまとめてもらいたい」と指示。そのうえで、「デフレ脱却・経済再生と財政再建の両立という道筋が確かなものかしっかりと見極め、(消費税を増税するか)判断したい」と述べた。4~6月期の実質GDP成長率は3.8%増と、1~3月期の4.1%増に続き高い成長率を維持しており、消費税を増税しても成長戦略を軸に経済成長を下支えしたいという意欲がにじんだ。

 政府は9月中に成長戦略の具体策を示すことにしており、その柱となる企業向けの設備投資減税、ベンチャー企業育成のために投資した企業の法人税を減免する投資促進減税などが「経済政策パッケージ」に組み込まれる見込み。さらに、消費税の増税による景気減速を緩和するために補正予算を編成することや、市町村民税の非課税世帯に一人当たり1万円を一度だけ支給する「簡素な給付措置」なども対策として検討されている。

 麻生財務相は同日の記者会見で、増税判断まで1カ月を切ったタイミングでの総理指示について、「いよいよ10月初旬(に決断する)と総理としてずっと言ってきたので、消費税を上げる場合には消費の落ち込みや景気の腰折れを防ぐという意味合いで、各省でいろいろな案を出せという話が今のタイミングで出てきた」と解説した。しかし、補正予算について、「規模等々は言える段階にない。増税した場合には、来年の通常国会で考えていくことになる」として、具体的な言及を避けた。