宙に浮くIFRS 米国の適用判断先送りに同調か
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:10/05/2012  提供元:エヌピー通信社



 金融庁の企業会計審議会で議論が続く国際会計基準(IFRS)が宙に浮いている。IFRSは各国で異なる会計基準を統一するための制度だが、影響力の強い米国が採用するかどうか不透明さを増している。国内でも推進派と慎重派で意見が割れているためだ。

 IFRSの適用は、2009年の会計審の中間報告を受け、国際展開する企業を中心に2015年3月期からの強制適用を視野に準備が進んでいた。国内でも既に8社が採用した。

 しかし、昨年6月、当時の自見庄三郎金融担当相が突如、強制適用の見送りを表明。会計基準の大幅な変更による影響や事務負担などを懸念する声が強くなり、これまでに会計審で統一見解が得られたのは、中小企業には適用しないなど、わずかな論点にとどまる。

 さらに米証券取引委員会(SEC)の今年7月のスタッフ・リポートにより、米国が適用判断を先送りすることが判明。導入慎重派は「米国より先に判断すべきでない」と主張している。国内企業の中にも、導入の検討をやめる企業も出始めている。

 一方、アジアでは韓国や東南アジアの国々で導入が始まっている。「成長市場のアジアと会計基準が合わないのは損失」「国際競争から取り残される」との推進派は危機感を訴える。会計審は10月2日に議論を再開する予定だが、同審議会が中間報告で「2012年をめどに強制適用の判断」をするとしている判断時期は先送りされる公算が強い。