政策能力の高さは党内屈指とも 内閣府・大串政務官にかかる重圧
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:03/16/2012  提供元:エヌピー通信社



 野田政権で最も多忙な政務3役の一人と言われているのが、内閣府の大串博志政務官だ。

 野田政権には現在、岡田克也副総理など8人の特命担当大臣がいるが、それを支える政務官は実質3人。中でも大串政務官は政権の主要分野の多くを担当し、他省庁との調整など激務に追われている。

 財務省出身。政権交代直後の鳩山政権では古巣の財務政務官として民主党政権初となる予算案を取りまとめた。菅政権では「社会保障と税の一体改革」で民主党調査会を取り仕切り、野田政権では再び内閣府政務官に推された。政策能力の高さは党内屈指ともいわれる。

 しかし、「あまりに仕事が集中しすぎ、一人で対応するには限界がある」と懸念する政府関係者は多い。

 実際、現在の担当は行政刷新会議や経済財政運営、TPP(環太平洋経済連携協定)にエネルギー政策と多岐にわたる。金融庁の政務官でもあり、AIJ投資顧問の年金資産消失問題の調査の矢面にも立つ。

 加えて岡田副総理直轄の政務官でもあり、一体改革に関する調整も任されている。4月中の中間報告を目指す歳入庁の検討チームも大串政務官の担当だ。

 政権の屋台骨を支える一方、選挙区の佐賀2区は「1票の格差」是正のための減区対象として名前が挙がる。「確かに大変ですけど、与えられた仕事を一生懸命やるしかないですね」。そうほほえみ、永田町を駆け回る大串政務官の心境はいかに。