税務通信ニュースNo,3437(2016/12/09)
カテゴリ:02.週刊税研 
作成日:12/09/2016  提供元:税務通信



与党 平成29年度税制改正大綱を決定

 自民、公明両党は12月8日、平成29年度税制改正大綱を決定した。

 法人課税関係では、研究開発税制について、試験研究費の範囲に“サービス開発”を追加するなど、拡充される項目も多い。

一方で、法人税関係の中小企業向け租税特別措置について、平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年15億円を超える事業年度の適用を停止する措置が講じられる。停止措置の適用は、31年4月1日以後開始事業年度から。

地方税の裁決 多くの自治体が公表へ

 約50年ぶりに改正された行政不服審査法の適用が本年4月1日からスタートした。

 改正法では、行政庁が行う裁決等の内容を公表する努力義務が設けられている。公表は法的義務ではなく、あくまで“努力”義務だが、多くの自治体では税の裁決内容を「裁決・答申データベース」で公表する方向にある。

国税と地方税の法定調書がeLTAXで一括作成・提出可

 従来、給与支払報告書と源泉徴収票は、記載内容がほぼ同じであるにもかかわらず、個別に作成し、各市町村と税務署それぞれに提出しなければならなかった。

 しかし、平成29年1月以降は、これらの電子申告用データがeLTAXで同時に作成・提出できるようになり(電子的提出の一元化)、事務量が軽減される。

国税庁 質疑応答事例15事例を追加 

 国税庁は11月28日、HPに掲載している質疑応答事例を更新し、15事例(所得税:2,財産の評価:2,法人税:7,消費税:3,印紙税:1)を追加した。

 このうち、法人税で追加された「事業の譲受けに伴い賞与支払債務の履行に係る負担を引き受けた場合の課税関係」では、事業の譲受けで引き継いだ「賞与引当金」について、1)短期重要負債調整勘定(短期重要債務見込額)に該当せず、2)差額負債調整勘定の額になるとしている。