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診療報酬の増額改定 “仕分け人”全員が難色
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:11/25/2011 提供元:エヌピー通信社
行政刷新会議の「提言型政策仕分け」が11月23日終了した。「国家の重要政策について国民的議論を深める」ことを掲げた結果、原発関連予算の抜本的な配分シフトや、社会保障のあり方などについて踏み込んだ提言が示された。
従来のような歳出削減を前面には出さなかったものの、テーマはいずれも財務省がかねてから問題視していた支出ぞろい。同省にとっては年末の予算編成に向けた格好の援軍になった。
最たるものが、2012年度の改定を控えて財務省と厚労省がしのぎを削る医師の診療報酬だ。事業仕分けでは、財務省主計官が医師の人件費などの本体部分について「物価・賃金動向に照らして、診療報酬の増額は理解が得られない」と主張。仕分け人からも同調の声が相次ぎ、9人の仕分け人全員が据え置きか減額の結論を下した。
介護保険についても現役並みの所得がある高齢者の負担を増やすよう提言するなど、民主党政権で聖域となってきた社会保障の効率化に踏み込んだ。
また、地方交付税のあり方についての議論では、算定の透明化や、地方が自前で財源を調達する課税自主権の強化を提言。大学の定員適正化や研究開発の外部評価の導入など、教育・研究分野にもメスを入れた。
国債費を除く国の政策的経費のうち、社会保障費と地方交付税は約3分の2を占める。財務省は「これらの分野の伸びを抑制しない限り、もはや予算は組めない」(幹部)として、仕分け結果を最大限予算編成で活用する構えだ。だが、改革が進まなかったのは日本医師会など政治力のある団体の抵抗が強いため。政府がどこまで仕分け結果を予算編成に反映できるか、政治の覚悟が問われそうだ。
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