|
八百長問題で揺れる角界 公益法人準備凍結に
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:02/18/2011 提供元:エヌピー通信社
相撲界をまとめる財団法人日本相撲協会が大ピンチだ。同協会は、「新たな公益法人制度」における「公益財団法人」への移行を目指し準備を進めてきた。しかし、八百長相撲発覚を受けて、その移行準備を当面ストップさせることを正式に決定。八百長問題の解明を優先するという。相撲界始まって以来の不祥事というが、公益法人制度の面から見ても異常な事態だ。
期限までに公益か一般かの選択をしない場合や、期限内に申請をしたとしても期限後に公益認定や一般社団・財団の認可が下りないと、特例民法法人は解散扱いだ。
相撲協会の場合、現状では公益認定は絶望的。準備推進凍結はやむを得ないが、期日が迫る以上、進路を決めておく必要がある。
考えられるのは、税負担が増えるが「一般財団法人」になることだ。先行き八百長問題を清算し、更に活動が真に公益になるというのであれば、その時点で公益認定に挑戦するほかない。
仮に相撲協会が、一般財団法人のうち、全所得課税の「普通法人」になってから公益法人に昇格したとすると、課税所得の範囲が変わることになる。
普通法人の一般財団法人が公益法人に該当した場合、その該当した日の前日に、もとの一般財団法人は解散扱いになる。課税関係はその前日時点で一度清算され、該当日に新たな公益法人が設立され改めてスタートするという考え方だ。したがって、新たに公益法人となった日の前日前1年以内に終了した事業年度または該当日の前日の属する事業年度において生じた欠損金については、解散があったものとみなされるため「欠損金の繰戻しによる還付」が適用できる。しかし、公益法人となった日以後は一般財団法人時代の欠損金は繰り越せない。このように、公益・一般間の移動は税務上の注意すべき点が多々発生する注目ポイントだ。
ただ、相撲協会の場合、一般財団になれば公益法人時代の財産も国庫返納などで失う可能性が高い。協会にとっては不名誉だろうが、「公益法人が問題を起こした場合」として、公益法人制度に注目する多くの人の関心を集めている。
|
|