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パナマ文書で「何で米国だけ出ていないの?」まことしやかなCIAの陰謀説も
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:05/13/2016 提供元:エヌピー通信社
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ・本部ワシントン)が5月9日午後(日本時間10日未明)にウェブサイトで公表した課税逃れの実態を記した「パナマ文書」には約21万4000法人と関連する約36万件の個人名などが含まれていた。公表データのうちタックスヘイブン(租税回避地)に設立した法人や信託の役員・株主(個人・企業)などの住所地は、中国が2万8073件で、香港が2万1041件に上る。中国や香港が突出し、「チャイナマネー」の拡散ぶりが示された形だ。日本は重複分を含め806件だった。
中国が突出しているのは、特権階級などが安全に資産を海外に持ち出すために租税回避地を利用しているためだと見られる。パナマ文書の流出元のパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」は、香港などにある銀行や法律事務所などから依頼を受け、租税回避地に法人などを設立していた模様だ。
今回公表されたのは、21カ所の租税回避地に関する情報で、英領バージン諸島や英領ケイマン諸島などが含まれる。英国とも関係が深い場所が多いことから、英国も4836件だった。世界の金融センターであるシンガポール(5728件)やスイス(3208件)も多く含まれていた。
米国は6860件で3番目に多かったが、中国の4分の1にとどまる。米国は州ごとに法人税が異なり、デラウェア州やテキサス州など税金が低い地域に法人を設立すれば実質的には租税回避地と同じ効果が得られるからとの見方がある。しかし、それだけではないとの指摘もある。麻生太郎財務相は10日の閣議後の記者会見で「(パナマ文書に)何で米国だけ出ていないの?」と記者に逆質問。麻生財務相の指摘について、財務省内では「パナマ文書は一法律事務所の文書で租税回避地の全容解明とはほど遠いということを言いたかったのではないか。ロシアが言うようにCIAの陰謀なのかもしれないしね」との声がある。
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