民間設備投資の先行指標機械受注 5四半期ぶりマイナス
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:08/22/2014  提供元:エヌピー通信社



 内閣府が8月14日に発表した4~6月期の機械受注統計(季節調整値)は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」が前期比10.4%減の2兆2824億円にとどまり、5四半期ぶりにマイナスに転じた。消費増税や基本ソフト(OS)「ウインドウズXP」のサポート切れに伴う駆け込み需要の反動減が響いた。今後は個人消費や輸出の伸びが景気回復のカギを握るが、いずれも先行きは不透明で、市場に警戒感が広がっている。

 4~6月期は、製造業では電気機械や食品製造業などがふるわず前期比で8.5%の減少。非製造業(船舶・電力除く)も6.7%のマイナスだった。下げ幅はリーマン・ショック後の09年1~3月期(12.3%減)以来の大きさで、内閣府は基調判断を「一進一退で推移している」と2カ月連続で下方修正した。

 6月の「船舶・電力を除く民需」は、前月比8.8%増の7458億円と、3カ月ぶりに増加して持ち直した。また、7~9月期の受注総額の見通しは、非製造業での回復期待などで2.9%増を見込んだ。

 今後の見通しについては、企業の前向きな姿勢を示すデータはある。日本政策投資銀行の設備投資計画調査(大企業)では、14年度の投資計画が前年度実績比15.1%増と、24年ぶりの高い伸びを示す。実際に設備投資が進むかどうかは、「非製造業は個人消費、製造業では外需の回復」(国内証券)がカギを握る。

 しかし、13日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、個人消費は前期比で5.0%減、輸出は0.4%減と低迷。市場からは「企業は、表向きは積極的でも、現実には景気の回復度合いは不透明で、投資に動きにくくなっている」(シンクタンク)と懸念する声も上がっている。