JAL ついに法人税納税 特例措置を見直し
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:12/26/2014  提供元:エヌピー通信社



 2015年度税制改正の議論が大詰めを迎えている。政府・与党はこれまでの調整で、会社更生法の適用を受けた企業の法人税を減免する特例措置を見直す方針を固めた。再建して株式を再上場した企業を特例措置の対象から外す。一方で、現在は11年4月までに更正法を適用された企業のみが対象となっているが、それ以降に経営再建に踏み出した企業も対象に加える方向で調整している。

 政府・与党の見直しの念頭にあるのは日本航空の存在だ。10年に更正法の適用を受け、公的資金も得て再建し、12年に再上場したが、現在も特例措置の対象となっている。15年度税制改正により特例の対象から外れ、課税対象となる見通しだ。

 特例措置は、民主党政権が日航の再建を念頭に11年度税制改正で導入した。現行の欠損金の繰越控除制度は、過去に出した赤字を翌年度以降に繰り越し、毎年の黒字の80%まで相殺を認めることで法人税額を減らすもの。一方、特例措置の対象となった企業は7年間、過去の赤字と翌年度以降の黒字を全額相殺できる。

 しかし、12 年の政権交代後、自民党や航空業界から、日航が利益を上げながらも、特例の対象になっていることへの批判が出ていた。安倍晋三首相も、日航への税優遇について「多くの課題と問題がある。今後(見直しが)必要かも含めて検討したい」との考えを示していた。

 これを受け、政府・与党は、15年度から特例措置の対象時期を広げる一方、日航のように株式を上場した場合は、通常の企業と同じ扱いにすることにした。新制度では、民事再生法の適用企業を対象に加えることも検討する。