エコカー減税2年延長ユーザーは段階的に負担増
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:12/16/2016  提供元:エヌピー通信社



 2017年度税制改正で、自動車購入時に支払う自動車取得税(地方税)と車検時に支払う自動車重量税(国税)につき、燃費性能のよい自動車なら税負担が軽くなる「エコカー減税」を2年間延長することが決まった。

 例年、自動車関連の改正は大綱がまとまる直前の真夜中までもめるのが「自民党税制調査会の伝統行事」(税調幹部)だが、今年は大綱公表の2日前には事実上決着。17年度、18年度と1年ごとに基準を段階的に厳しくしていくことで、自動車業界の反発を抑えるとともに、税収を確保したい総務省や財務省の理解も得た点がポイントだ。「税収も消費下支えもバランスが大事」(税調幹部)との考えがにじむ改正内容が決着を早めた。

 エコカー減税により自動車取得税は20~100%、自動車重量税は25~100%軽減される。まず、17年度はこれまで減税措置があった「2015年度燃費基準」を5%上回る車は対象外とし、同基準を10%上回っていることを減税条件にし、減税対象を新車の9割から8割に引き下げる。18年度にはより厳しい「2020年度燃費基準」を上回ることを条件にし、減税対象を7割にする。

 免税の範囲も見直す。電気自動車やクリーンディーゼル車などの次世代車に加え、「2020年度燃費基準」を20%以上達成している車が免税対象だったが、17年度は同基準を30%以上達成している車、18年度は同基準を40%以上達している車に限定し、現在約4割を占める免税対象を3割まで絞り込む。

 2年かけて確実に基準は引き上がるため、自動車購入者らの負担は増加するが、負担増をなだらかにすることで消費低迷に悩む自動車市場を税制で下支えする。この2年間で落ち込んだ税収も「すべては取り返すことはできない」(財務・総務省)ものの、着実に増収にはつなげられる改正になった。