フィンテック金融庁の相談窓口が盛況
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:10/07/2016  提供元:エヌピー通信社



 金融とIT(情報技術)を融合した新技術「フィンテック」について、金融庁がベンチャー企業などから相談を受ける窓口「FinTechサポートデスク」に、昨年12月の開設から今年6月末までに91件の相談があったことが分かった。問い合わせは減ることなく続いており関心の高さを伺わせる。

 金融庁が先月発表した「金融レポート」で初めて集計結果を明らかにした。開設した12月は11件、その後は10件前後で推移し6月も14件と偏りなく問い合わせが続いている。

 91件(毎月平均13件)のうち8割弱の70件が金融商品取引法などの法令についてのもので、特に開業規制に関するものが多い。異業種からの参入や起業も多いことから、金融規制が最初のハードルになっていることが分かる。

 法令相談の内訳をサービス分野別にみると、金融機関との協業に関するものが3割弱、仮想通貨が2割、クラウドファンディングが1割となっている。海外では「既存の大手金融機関を脅かすもの」と捉えられることもあるフィンテックだが、国内では金融機関との協業が今のところ中心のようだ。

 金融庁幹部は「実際の具体的なビジネスを検討している例が多い」と分析している。フィンテックをめぐってはこの秋も関連イベントが相次いで行われ、今後も新たなビジネスの動きが模索されそうだ。金融庁内の金融審議会でも、利用者保護や不正防止、システムの安全性確保を念頭に制度面での課題がないか検討していく方針だ。