消費者物価指数 上昇率0・1%どまり
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:08/17/2015  提供元:エヌピー通信社



 総務省が7月31日発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103・4で、前年同月比0・1%上昇した。上昇は25カ月連続だが、6月の上昇率は前月並みと力強さを欠く。市場では「総じて見るとゼロ近傍で推移しており、日銀の2%インフレ目標や政府の目指すデフレ脱却には程遠い状況にある」(エコノミスト)との見方が広がっている。

 上昇は329品目、下落は149品目、横ばいは46品目だった。ルームエアコンやテレビなどの耐久財で新商品への切り替えが進んで上昇幅が0・02ポイント拡大。原油安の影響による電気代やガス代、ガソリン、灯油などの下落をわずかに上回った。

 一方、先行指標となる東京都区部の7月の消費者物価指数(中旬速報値、生鮮食品を除く総合指数)は101・9で、前年同月比0・1%下落。2013年4月以来27カ月ぶりのマイナスに転じた。原油安を受けて電気代が6・7%下落、都市ガス代も7・4%下落し、エネルギー価格全体で6月(5・1%下落)をさらに下回る8・3%の下落となったことが響いた。

 総務省は「東京都区部の7月CPIがマイナスに転じたのは東京電力の電気料金値下げの影響が大きい。関西電力など他の電力会社はここまで下げておらず、全国の7月CPIへの影響は限定的。昨年来の原油安の影響を除けば物価の上昇基調は続いている」としている。ただ、全国のCPIは6月の上昇も小幅にとどまる一方、原油安の影響は続く見通しで、7月以降いつマイナスに転じてもおかしくない。市場では「7月はマイナス0・1%の見込み。夏場は小幅なマイナス圏で推移するのでは」(大和総研)との声が聞かれた。