26年分所得税等確定申告、贈与税が前年比63%増
カテゴリ:02.所得税, 05.相続・贈与税 トピック
作成日:06/01/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁が5月29日に発表した平成26年分所得税等の確定申告状況によると、同年分の所得税等の確定申告書提出人員は前年分から0.2%の減少の2139万1千人となり、ほぼ横ばいながら、過去最高だった20年分以降、21年分から6年連続の減少となった。26年分の還付申告者数は前年分の1240万3千人から0.7%増の1248万7千人となり、3年ぶりの増加となった。

 確定申告書を提出した人員のうち、申告納税額のあるもの(納税人員)は612万人と1.6%前年分を下回って3年ぶりに減少した。これは、株式などの譲渡所得が大幅に減少したことが影響しているとみられている。また、納税人員の申告状況について前年分と比較すると、所得金額は3.6%減の37兆1054億円で3年ぶりの減少、申告納税額も6億円(0.0%)減の2兆7087億円と微減ながら4年ぶりの減少となった。

 譲渡所得の申告状況をみると、土地等の譲渡所得(総合譲渡含む)の申告人員は48万1千人(対前年分比0.7%減)で、このうち所得金額のあるもの(有所得人員)は30万人1千人(同2.4%増)、その所得金額は3兆6171億円(同5.8%増)と、いずれも5年連続で増加した。

 一方、株式等の譲渡所得の申告人員は93万7千人(対前年分比14.7%減)で2年ぶりに減少し、有所得人員は46万1千人(同30.3%減)、その所得金額は2兆1759億円(同55.0%減)となり、有所得人員、その所得金額ともに大幅に減っている。これは、前年の平成25年末で株式譲渡益への軽減税率の適用が廃止されたことから、25年分が駆け込みで過去最高となった反動とみられている。

 また、贈与税の申告書を提出した人員は51万9千人で前年分比5.6%増加、うち納税人員は36万6千人で同11.1%増加し、その申告納税額は2803億円で、同63.1%増と大幅に増加した。これは、相続税改正で今年1月から課税ベースが拡大し最高税率も上がったことなどから、改正前に贈与する人が増えたとみられている。

 昨年4月から税率が8%に引き上げられた消費税についても、個人事業者の消費税の申告件数は前年分から0.5%増と微増の113万9千件ながら、納税申告額は41.6%増の5218億円と過去最高となっている。申告件数、確定申告額のいずれも9年ぶりの増加となった。

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