 | 相続税調査、１件当たり２５１７万円の申告漏れを把握 カテゴリ:05.相続・贈与税 トピック 作成日:11/14/2016 提供元:２１Ｃ・ＴＦフォーラム 今年６月までの１年間（平成２７事務年度）において、平成２５年中に発生した相続を中心に、申告額が過少、申告額がありながら無申告と思われるものなど１万１９３５件を実地調査し、うち８１．８％に当たる９７６１件から３００４億円の申告漏れ課税価格を把握し、加算税８０億円を含む５８３億円（同12.9％減）を追徴課税したことが、国税庁が１０日に発表した平成２７事務年度における相続税の調査事績で分かった。 実地調査１件当たりでは、申告漏れ課税課各２５１７万円、追徴税額４８９万円となる。また、申告漏れ額が多額だったことや、故意に相続財産を隠ぺいしたことなどにより重加算税を賦課した件数は１２５０件で、その重加算税賦課対象額は４５８億円。重加算税賦課割合（重加算税賦課件数１２５０件／申告漏れ等の非違件数９７６１件）は１２．８％だった。 申告漏れ相続財産の内訳をみると、「現金・預貯金等」が１０３６億円（前事務年度１１５８億円）で全体の３５．２％を占めて最も多く、続いて「土地」が４１０億円（同４１４億円、構成比１２．４％）、「有価証券」が３６４億円（同４９０億円、同１３．９％）、「家屋」が６４億円（同５４億円、同２．２％）の順のほか、「その他（不動産、有価証券、現金・預貯金等以外）」が１０７１億円（同１１２５億円、同３６．３％）となっている。 一方、申告・納税義務があるのに申告しない者も後を絶たないが、無申告事案については、８６３件の実地調査を行い、うち６５５件から８２４億円の申告漏れ課税価格を把握し、５３億円を追徴課税した。１件当たりの申告漏れ課税価格は９５４３万円と、相続税調査全体の１件当たり申告漏れ２５１７万円の約３．８倍にのぼる。 また、近年は、海外資産関連事案についても、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案などを積極的に調査。平成２７事務年度は、８５９件（前事務年度比１．４％増）の実地調査を行い、うち１１７件（同４．５％増）から海外資産に係る申告漏れ課税価格４７億円（同３．６％増）を把握し、うち３億円が重加算税賦課対象となっている。非違１件当たりの申告漏れ課税価格は３９９９万円にのぼる。 同相続税の調査状況はこちら |