改正経営承継円滑化法が公布
カテゴリ:05.相続・贈与税 トピック
作成日:09/04/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 遺留分の民法特例の対象を親族外へ拡大することを柱とする経営承継円滑化法等改正法が8月21日の参院本会議で可決、成立、28日に公布された。施行は、公布の日から1年以内。

 事業承継で安定した会社経営にするためには、事業後継者への株式集中が必要だが、遺族には生活保障等を目的とした遺留分(法定相続分の2分の1)があり、遺留分の放棄が法的に確定しないと、後継者は後で遺留分相当の株式を請求される恐れがある。「遺留分の民法特例」は、後継者が遺留分権利者全員と合意し、経済産業大臣の確認・家庭裁判所の許可を経ることにより、生前贈与された自社株式を遺留分算定基礎財産から除外できる制度。

 現行制度では、親族しか特例の適用対象としていないが、最近は親族外承継が4割を占め、平成25年度税制改正により事業承継税制の後継者要件でも親族限定ではなくなったことなどから、親族外にも拡大することになった。

 この改正法は、配偶者や子への事業の譲渡により、個人事業主が事業をやめた場合でも、それ以外の事業廃止と同じ共済金の支給額を見直す等の小規模企業共済法の改正法とセットになっている。

 現行では、掛金額・掛金納付年数が同じでも、共済事由(事業の廃止や共済契約者の死亡などの共済金の受取理由)の違いにより、支給される共済金額が異なっている。27年度税制改正では、小規模企業共済法の改正に基づき支給される共済金等を、引き続き退職所得控除及び公的年金控除の対象としており、改正小規模企業共済法の施行日以後に自動適用される。