教育資金追加の定期代や留学渡航費等の要件は…
カテゴリ:05.相続・贈与税, 15.税制改正 トピック
作成日:05/11/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 平成27年度税制改正において見直された教育資金の一括贈与非課税制度は、30歳未満の子や孫等が、教育資金に充てるため、父母や祖父母など直系尊属から、金融機関の口座等の開設を通して、最大1500万円(うち学校等以外への支払いは500万円)まで贈与を受けても贈与税が非課税となる。27年4月から同特例の対象に追加された通勤定期代や海外渡航費、入学等の転居の交通費は、一部の例外を除き、学校等以外の業者に支払うものであるため、最大500万円の非課税枠を利用できることになる。

 通勤定期代は、通常の通学に使用する定期券代、スクールバス代(通学定期券)が対象となり、購入した際の領収書と、通学定期券の写しの2点を提出する必要がある。別経路の切符代や交通系電子マネーのチャージ代、自転車通学の際の自転車代や駐輪場代などは対象外となる。スクールバス代は業者に通学定期代として支払う場合に認められる。回数券等は対象外だが、学校に直接支払う場合は1500万円の非課税枠の対象となる。

 留学渡航費については、合理的経路による1留学1往復しか500万円の非課税枠を利用できないため、その証明書類は厳格化されている。具体的には、1)領収書のほか、2)留学先の学校の入学許可証や在籍証明書などの就学証明書、3)航空券の写し、e-チケット、搭乗証明、旅程等の渡航経路を確認する書類、の全てを提出する必要がある。この3点が揃っていない渡航費や空港までの交通費は対象外となる。

 入学・転入学・編入学に当たっての転居に伴う1往復(合理的経路)の交通費も500万円の非課税枠の対象となる。証明書類は、1)領収書のほか、2)入学する学校等の就学証明書、3)乗車券の写しや購入履歴の印刷等移動の経路を証明する書類、4)転居元の住所を証明する住民票等、の4点全部が必要となる。この4点が揃っていない交通費や、親の転勤に伴う転校で転居する場合の交通費は認められない。

 なお、今回の改正で教育資金の一括贈与非課税制度は、1)対象教育資金の使途の範囲に通学定期券代等が加えられたほか、2)金融機関へ提出する領収書等に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中の合計支払金額が24万円までのものは、その領収書等に代えて、支払先、支払金額等の明細を記載した書類を提出できる(28年1月から適用)、との見直しを行った上で、その適用期限が31年3月31日まで延長されている。