建物譲渡・土地取得の買換えに対する課税特例の適用を否認
カテゴリ:01.法人税 裁決・判例
作成日:06/12/2007  提供元:21C・TFフォーラム



 建物を譲渡して土地を取得した買換えに対して、法人が租税特別措置法65条の7(特定の資産の買換えの場合の課税の特例)いわゆる特定資産の買換特例を適用して申告したことの可否が争われた事案で、国税不服審判所は買換資産(土地等)のすべての面積が譲渡資産(土地等)の面積の一定割合を超える部分の面積に該当するため買換資産には該当しないと判断、審査請求を棄却した。

 この事案は、法人が建物を譲渡して土地を取得したことに対して特定資産の買換特例による圧縮損を法人税の所得金額の計算の際に損金算入したことを原処分庁が否認、更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて審査請求していたもの。

 審査請求人は、特定資産の買換特例を定めた租税特別措置法65条の7の解釈・立法趣旨から、建物を譲渡して土地を取得した買換えの場合にも特定資産の買換特例が適用されると主張して原処分の取消しを求めていた。

 裁決は、同法が買換資産である土地等のうち譲渡資産である土地等の面積の一定割合を超える部分の面積に対応するものは、買換資産に該当しないと定めていることを指摘。つまり、譲渡資産に土地等がない買換えの場合は、譲渡資産である土地等の面積は零となる。そのため、買換資産である土地等のすべての面積が譲渡資産である土地等の面積の一定割合を超える部分の面積に該当するため買換資産には該当しないという解釈だ。その上で、この解釈は、国土政策に反する不要不急の土地の取得や仮需要を抑制し、不要の土地取得を制度上認めないとする同法の立法趣旨にも沿うと付け加えて審査請求を棄却している。

(国税不服審判所、2006.03.27裁決)