法人の申告所得総額は過去最高の61.5兆円
カテゴリ:01.法人税, 12.国税庁関係 トピック
作成日:10/03/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁が発表した平成27年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度から0.9%増の304万8千法人で、うち27年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.1%増の282万5千法人だった。その申告所得金額は同5.3%増の61兆5361億円、申告税額の総額も同1.9%増の11兆3844億円と、ともに6年連続で増加し、申告所得金額の総額は過去最高となった。

 この結果、法人の黒字申告割合は、前年度に比べ1.5ポイント上昇して32.1%となり、5年連続の増加となった。黒字申告割合は、2年連続で30%台となっている。もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった昭和48年度(65.4%)の半分にも満たない低い数字が、平成5年度から23年も続いていることになり、黒字申告割合は低水準が続いている。

 6年連続の増加となった黒字法人の申告所得金額は、黒字申告1件あたりでは前年度に比べて0.6%減の6785万円となった。一方で、申告欠損金額は同5.1%減の13兆7118億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同4.1%減の715万円と、ともに減少し、企業業績全体が改善されつつあることがうかがえる。ちなみに、申告欠損金額のピークは平成11年度の33兆2791億円だ。

 なお、今年6月末現在の連結法人数は、親法人が1698(前年度比4.1%増)、子法人が1万1977(同2.6%増)の計1万3675法人(同2.8%増)だった。このうち、7月末までに申告した親法人は1607件(同5.2%増)で、その黒字申告割合は前年度に比べ1.5ポイント上昇の60.7%。申告所得金額は同3.4%減の10兆3341億円と減少、申告欠損金額も同23.4%増の2兆562億円と増加する結果となった。

 連結納税での申告書に添付された個々の親法人・子法人の決算内容の届出書をみると、届出件数1万3312件のうち、黒字分は65.5%にあたる8717件、赤字分が4595件。つまり、連結納税でなければ、黒字申告割合は6割半ばに達することになる。総個別所得金額も12兆2203億円にのぼる。このように、企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得が計算できる連結納税の効果は大きいことがうかがえる。

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