タックスヘイブン税制が抜本改正
カテゴリ:07.国際税務, 15.税制改正 トピック
作成日:02/02/2017  提供元:21C・TFフォーラム



 平成29年度税制改正では、タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)の抜本的な見直しが行われる。「外国子会社の経済実体に即して課税すべき」とするBEPSプロジェクトの基本的考え方を踏まえ、経済実体がない、いわゆる受動的所得は合算対象とする一方で、実体のある事業からの所得については子会社の税負担率にかかわらず合算対象から外れることとなる。

 今回の改正で見直されるのはまず、合算対象とされる外国法人の判定方法。いわゆる「トリガー税率(低税率判定基準)」が廃止され、外国関係会社を判定する際の持分割合の計算方法が見直される。資本関係はなくても実質的に支配している会社も対象となる。

 また、適用除外基準を見直した上で「経済活動基準」に改め、事業基準、実体基準、管理支配基準、所在地国基準または非関連者基準のうちのいずれかを満たさない外国関係会社について合算課税の対象とされる。これまでは合算課税の対象とされてきた航空機リースを主たる事業とする外国関係会社のうち一定の要件を満たすものについては事業基準を満たすものとされる。

 一方で、資産性所得の範囲が広がるほか、ペーパーカンパニー等については税率30%未満で適用対象とされることから、タックスヘイブン対策税制の対象となる外国子会社は増加するものとみられている。

 これらの改正は、外国関係会社の平成30年4月1日以後に開始する事業年度から適用される。