政府税調、「103万円の壁」引上げ案提示
カテゴリ:02.所得税, 15.税制改正 トピック
作成日:11/17/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 政府税制調査会は14日、配偶者控除の見直しについての中間報告を取りまとめた。配偶者控除の見直しについて、政府税調ではかねてより、個人の能力ひいては日本経済の潜在力の発揮につなげるため、多様な働き方に中立的な仕組みを構築することが必要であると指摘してきた。

 これまでの議論では、1)配偶者控除の全面廃止および廃止により生じる財源を子育て支援の拡充に充てる、2)世帯単位で税負担を捉える「移転的基礎控除」を税額控除方式で導入、3)共働き夫婦も対象とする「夫婦控除」の導入、などを見直しの選択肢として提案している。

 今回の中間報告では、これらの選択肢を再度提示した上で、現行制度における配偶者の収入制限である「103万円」を引き上げることも一案との意見があったとし、現行制度の控除枠拡大案を入れ込んだ。

 このほか、担税力への配慮や税負担の公平性の観点から、「控除の対象となる者の収入を一定額以下に限ることが考えられる」との意見も追記。また、企業における配偶者手当の支給基準に「103万円」が援用されていることなども就業調整の一因になっていると指摘し、こうした手当制度のある企業に対して「抜本的な見直しを強く求めたい」とした。