システムキッチン等の取替工事費用は資本的支出と判断、棄却
カテゴリ:02.所得税 裁決・判例
作成日:01/06/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 賃貸用マンションにおけるシステムキッチン等の取替工事に係る費用が修繕費に該当するのか、資本的支出に該当するのか否かの判断が争われた事件で、国税不服審判所は、マンションの価値を高め、耐久性を増すことになることから、修繕費ではなく資本的支出に該当すると判断して、審査請求を斥けた。

 この事件は、不動産貸付業を営む者(審査請求人)が賃貸用マンションの流し台等の取替工事に係る費用の全額が修繕費に該当すると判断して、不動産所得の必要経費に算入して申告したのが発端になったもの。この申告に対して原処分庁が、減価償却資産の新規取得に係る減価償却費の額及び修繕費となるもの以外の部分の金額は必要経費に算入できないと否認して更正処分等をしてきたため、居住用機能を回復させるため劣化した流し台等を取り替えたものであるから全額修繕費に該当すると主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 しかし裁決は、修繕費と資本的支出の性格に触れた上で、建物の居住用機能の回復が目的であるとしても、建物の規模との比較のみでその違いを判断するものではないと指摘した。しかも、物理的・機能的に一体不可分の関係にある台所及び浴室の既存の設備等を全面的に取り壊す一方で、システムキッチン及びユニットバスを新たに設置し、台所及び浴室を新設したものであるから、一部分の取壊し・廃棄と新設が同時に行われたものとみるべきと認定した。

 そうであれば、台所及び浴室の新設によって建物の価値を高め、耐久性も増したと認定できることから、資本的支出に該当すると判断した。ただ、審判所認定額が更正処分額を下回ったことなどから、結果的に一部取消しという裁決内容になった。

(2014.04.21国税不服審判所裁決)