消費税還付申告法人への調査で77億円を追徴課税
カテゴリ:03.消費税 トピック
作成日:11/12/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁はこのほど、平成26事務年度(26.7~27.6)における消費税の不正還付の調査結果を明らかにした。

 消費税は、預り金的性格を有するため、適正な税務執行が一層求められている。その一方で、消費税法では商品の輸出や国際輸送、国際電話、国際郵便などの輸出取引に該当する場合、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づき、消費税を免除していることを悪用し、近年、虚偽の申告により不正に還付金を得るケースが見受けられることから、国税当局では、通常行っている法人税との同時調査とは別に、資料情報等から不正還付の疑いのある還付申告法人に対して積極的な調査を行っている。

 平成26事務年度においては、消費税還付申告法人7442件(前年対比11.1%増)に対し実地調査を実施し、4082件(同15.9%増)から何らかの非意を把握して消費税77億900万円(同6.8%増)を追徴課税した。また、4082件のうち726件(同124.7%増)は不正に還付金額の水増しなどを行っており、11億円(同56.4%増)を追徴課税している。

 今回も架空の免税売上と課税仕入れを計上する手口で不正還付を受けていた事例が把握されている。この事案は、高級腕時計等の販売法人である甲社は、商品を海外に居住する乙に輸出したとして消費税の還付申告書を提出した。

 しかし、調査を行ったところ、輸出先の乙は代表者の親族であることや、乙へ輸出したとされた商品の個体番号と同番号の商品が、国内の取引先に販売されていることを把握。加えて、これらに係る仕入も二重計上されており、乙に対する輸出売上げ(免税売上げ)とそれに見合う丙からの仕入(課税仕入れ)はいずれも架空取引であることが判明し、加算税を含め3800万円が追徴している。

 調査事績等はこちら