3月調査、7割強~8割強の事業者が消費税「全て転嫁」
カテゴリ:03.消費税, 14.各省庁関係 トピック
作成日:04/08/2015  提供元:21C・TFフォーラム



 経済産業省では、昨年4月の消費税率引上げを踏まえ、現在、監視・取締りを強化し、転嫁拒否の未然防止を図るとともに、違反行為への指導など迅速な是正を行っている。その一環として、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、昨年4月から転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査として、月次モニタリング調査を実施しているが、このほど、「3月書面調査」の調査結果を取りまとめ公表した。

 調査結果(有効回答数9813事業者)によると、転嫁状況については、事業者間取引では85.3%、消費者向け取引では76.9%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、2月の同調査と比べて、それぞれ+0.2ポイント、+0.7ポイント増えた。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では3.2%、消費者向け取引では4.2%で、2月調査と比べて、それぞれ横ばい、+0.1ポイントと、大きな変動はない。

 また、平成26年4月の調査との比較では、事業者間取引では、「全て転嫁できている」と回答した事業者は、昨年4月調査の79.0%から今回3月調査の85.3%へと+6.3ポイント、消費者向け取引では、同69.3%から76.9%へと+7.6ポイントともに増加しており、平成26年4月の消費税率引上げ後、1年が経過し「全て転嫁できている」と回答した事業者の比率は高くなっている。

 今回の調査で「全て転嫁できている」と回答した事業者の割合を業種別にみると、事業者間取引では、「卸売業」が93.9%で最も大きく、次いで「運輸業、郵便業」が93.8%、「製造業」が89.7%、「建設業」が88.9%。また、消費者向け取引では、「運輸業、郵便業」が91.7%で最も大きく、次いで「卸売業」が90.8%、「建設業」が86.7%となり、「サービス業」は69.5%で最も小さい結果となった。

 事業者間取引における転嫁できた理由(2つまで回答)は、68.7%の事業者が「以前より消費税への理解が定着しているため」と回答。次いで「本体価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなったため」が20.8%、「転嫁特措法等により規制が強化されたため」が8.5%。実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した65社の事業者のうち、「減額」と回答した事業者が最多の58.5%、「本体価格での交渉拒否」が27.7%だった。

 消費者向け取引における転嫁できた理由(2つまで回答)としては、66.9%の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透したため」と回答。次いで「本体価格と消費税額を分けることにより値上げへの反発が和らいだため」が25.4%。一方、転嫁ができていない理由(同)では、51.3%の事業者が「景気が回復しておらず消費者の財布のひもが固いため」と回答している。

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