事業者間取引では事業者の8割半ばが消費税「全て転嫁」と回答
カテゴリ:03.消費税, 14.各省庁関係 トピック
作成日:02/24/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 経済産業省では、平成26年4月の消費税率引上げを踏まえ、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、同年4月から転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査として、月次モニタリング調査を実施しているが、2月19日、その「1月調査」の調査結果を取りまとめ公表した。同省では、消費税率引上げを踏まえ、現在、監視・取締りを強化し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への指導など迅速な是正を行っている。

 調査結果(有効回答数8518事業者)によると、転嫁状況については、事業者間取引では85.8%、消費者向け取引では71.8%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、前月の調査と比較して、それぞれ+1.1ポイント、+1.6ポイントの増加。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では3.4%、消費者向け取引では5.4%で、前月比で、それぞれ▲0.5ポイント、▲0.8ポイント減少した。

 事業者間取引における転嫁できた理由(2つまで回答)は、66.7%の事業者が「以前より消費税の転嫁への理解が定着しているため」と回答。次いで「本体価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなった」が25.2%、「転嫁特措法等により消費税転嫁拒否規制が強化された」が9.2%。実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した64社の事業者のうち、「減額」が最多の48.4%、「本体価格での交渉拒否」が28.1%だった。

 また、消費者向け取引における転嫁できた理由(2つまで回答)としては、67.6%の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透しているため」と回答。次いで「本体価格と消費税額を分けて記載することにより、値上げへの反発が和らいだため」が26.2%。一方、転嫁ができていない理由(同)では、52.9%の事業者が「景気が回復しておらず消費者の財布のひもが固いため」と回答している。

 なお、公正取引委員会及び中小企業庁では、消費税転嫁対策の監視・取締りのため、平成25年10月から28年1月までの間の累計で、7686件の調査に着手し、3398件の立入検査を実施した結果、2447件(うち大規模小売事業者106件)を指導し、公取委による勧告・公表を32件(同7件)、中企庁が措置請求5件をそれぞれ行っている。