消費税還付の節税手法封じ込めで特例新設
カテゴリ:03.消費税, 15.税制改正 トピック
作成日:02/15/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 2月5日に国会に提出された所得税法改等改正法案では、高額資産取得時に本則課税適用で仕入税額控除により多額の消費税還付を受けた後、免税事業者や簡易課税を適用することで本来納付すべき税額を免れる節税手法を封じ込めるため、消費税法に「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」を新設した。

 この特例は、本則課税適用の課税事業者が高額資産(税抜1千万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)を仕入れ等した場合は、仕入れ等課税期間以後3年間は免税事業者及び簡易課税を適用できないとするもの。平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合に適用される。ただし改正法附則で、27年12月31日までに締結した契約に基づき28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合は特例を適用しない経過措置を設けた。

 賃貸マンション取得に係る消費税還付を狙ったいわゆる自販機節税手法に対し、平成22年度税制改正では、2年間の課税事業者強制適用期間中にマンション等の調整対象固定資産(棚卸資産を除く税抜100万円以上の資産)を取得した場合には、取得課税期間から3年間は免税事業者に戻れず、簡易課税も適用できないとする規定を設けた。

 しかし、2年間の強制適用期間中は資産を取得せず、2年経過後に資産を取得した場合には、この措置も適用されない抜け道があったことなどから、新たな規定が設けられたようだ。