消費税転嫁対策取締り、3月末までに2628件を指導
カテゴリ:03.消費税, 14.各省庁関係 トピック
作成日:04/20/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 経済産業省は18日、消費税転嫁対策特別措置法が施行された平成25年10月1日から28年12月末までの主な転嫁対策の取組状況をとりまとめ公表した。同省では、26年4月の消費税率引上げを踏まえ、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、公正取引委員会とも連携して、1)監視・取締り対応の強化策、2)広報・事業者からの相談対応の強化策を一体的に実施し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への迅速な是正を行っている。

 監視・取締り対応の取組みでは、買手側(特定事業者)の転嫁拒否行為に対しては、転嫁対策調査官(転嫁Gメン)による監視・取締りを行っており、平成28年3月末までの累計で、調査着手7870件、立入検査3612件を行い、指導を2628件(うち大規模小売事業者115件)、措置請求を5件、勧告・公表を32件(同7件)実施した。これまで中小企業庁が行った措置請求5件は、公正取引委員会が勧告・公表している。

 平成28年3月末までの勧告・指導件数2660件を業種別にみると、「製造業」が707件で最も多く、「情報通信業」が310件(うち勧告2件)、「建設業」が283件(同2件)で続く。また行為類型別では、計2720件のうち、「買いたたき」が2303件(同32件)と全体の8割強を占めて圧倒的に多く、次いで「本体価格での交渉の拒否」252件、「減額」93件(同3件)、「役務利用・利益提供の要請」72件となっている。

 勧告事例をみると、電力機械器具等の製造販売等を行う(株)東光高岳は、電力量計の取替工事を委託している個人事業者又は法人事業者の一部に対し、消費税率の引上げ分を上乗せせずに委託料を据え置いて支払ったとして、平成28年1月20日に勧告されている。なお、消費税の転嫁状況を定期的に把握するため、26年4月から、事業者に対して転嫁状況に関する月次モリタリング調査を毎月実施してきた。

 3月の月次モリタリング調査結果(有効回答数9215事業者)によると、転嫁状況については、事業者間取引では84.8%、消費者向け取引では71.0%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、前月と比べて、それぞれ▲1.1ポイント、▲1.5ポイント。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では3.5%、消費者向け取引では6.1%で、前月と比べて、それぞれ+0.1ポイント、+0.5ポイントだった。

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