消費税軽減税率の取扱通達を発遣
カテゴリ:03.消費税, 12.国税庁関係 トピック
作成日:04/14/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 国税庁は4月12日、平成28年度税制改正で来年4月の消費税率引上げ時に導入される消費税の軽減税率制度に関する法令解釈通達「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達の制定について」(課軽2-1ほか)を発遣した。

 通達は、軽減税率の対象となる「飲食料品」及び対象外である「外食」の意義、対象資産を譲渡した場合の請求書等の記載事項などについての取扱いが明示されている。

 主なものをみると、軽減税率が適用される「飲食料品」とは、人の飲用又は食用に供されるものが対象であることから、工業用として販売される塩や観賞用・栽培用として取引される植物及びその種子は、食べることはできても人の飲用又は食用以外の用途で販売されるものは該当しないとした上で、注書きとして「人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した食品が、購入者により他の用途に供されたとしても、その食品の譲渡は、『飲食料品の譲渡』に該当する」と明記している。(通達2)

 また、軽減税率が適用されない飲食店業を営む者が行う食事の提供(いわゆる「外食」)とは、事業者がテーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供であることと定義した上で、レストラン、喫茶店、食堂、フードコートのほか、飲食目的以外の施設等であっても外食に該当する場合があると説明。

 具体的には、1)ホテル等の宿泊施設内のレストラン等又は宴会場若しくは客室、2)カラオケボックス等の客室又は施設内に設置されたテーブルや椅子等のある場所、3)小売店内に設置されたテーブルや椅子等のある場所、4)映画館、野球場等の施設内のレストラン等又は同施設内の売店等の設備として設置されたテーブルや椅子等のある場所、5)旅客列車などの食堂施設等、のそれぞれにおいて顧客に飲食させるために行われる飲食料品の提供を掲げている。

 ただし、これらの場合においても、持ち帰りのための飲食料品の譲渡(飲食料品を持ち帰りのための容器に入れ、又は包装した飲食料品の譲渡)であれば、軽減税率の適用対象となることを注書きに記載している。(同10)

 また、有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供に関しては軽減税率の対象とされているが、老人福祉法に規定する有料老人ホーム等を設置し、又は運営者が、外部業者へ当該施設の入居者に対する飲食料品の提供に係る調理等を委託している場合において、受託者たる当該外部業者の行う調理等に係る役務の提供は、委託者たる当該設置者等に対する役務の提供に当たることから、対象外となるとしている。(同13)

 なお、国税庁では同日、軽減税率制度について広く納税者に理解を深めてもらえるよう、わかりやすく解説した「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」も公表している。

 同通達はこちらを参照のこと