平成26年度租特の適用法人数は109.2万法人
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:02/03/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 平成26年度における租税特別措置の対象措置数は87措置(25年度83措置)、適用法人数は109.2万法人(同101.5万法人)とともに増加していることが、財務省が2月上旬に国会に提出予定の「平成26年度租税特別措置の適用実態調査報告書」で分かった。これは、平成26年度税制改正において、「生産性向上設備投資促進税制」の創設や「所得拡大促進税制」・「研究開発税制」の拡充等があったことが要因とみられている。

 租税特別措置の種類ごとにみると、中小企業などへの軽減税率(年800万円以下の所得に特例で15%の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)は、適用件数が79.4万件(25年度比4.9万件増)、適用額が2兆9841億円(同2163億円増)と大きく増えている。これは、景気回復によって法人税を支払う黒字企業が増加したためとみられている。

 また、「税額控除」(18措置)は、適用件数が13.9万件(25年度比8.2万件増)、適用額が1兆751億円(同3599億円増)だった。主な内訳は、「研究開発税制」が6746億円(同506億円増)、「所得拡大促進税制」が2478億円(同2058億円増)、新設された「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が969億円となっている。「研究開発税制」は、自動車大手が研究開発への投資を拡大したことなどが増加要因。

 「特別償却」(28措置)は、適用件数が6.7万件(25年度比2.2万件増)、適用額が1兆8576億円(同8628億円増)だった。主な内訳は、太陽光発電設備や風力発電設備など新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得や製作、建設をした場合に税が優遇される「環境関連投資促進税制(一部)」が8499億円(同2974億円増)、新設された「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が5731億円など。

 なお、適用数の実績が想定外に少ない租税特別措置等は、必要性や将来見込みの検証を徹底する必要があることから、税制改正プロセスでは、総務省による政策評価の点検結果や、財務省の適用実態調査の結果を活用して、租税特別措置の必要性や政策効果を検証している。平成28年度税制改正では、特に、期限が到来する法人税関係租税特別措置(17項目)の全てについて、廃止又は縮減を伴う見直しを行う予定とされている。