28年度の国民負担率は43.9%と7年ぶりに低下の見通し
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:02/17/2016  提供元:21C・TFフォーラム



 財務省はこのほど、租税負担と社会保障負担の合計の国民所得に占める割合を示した「国民負担率」が、平成28年度は43.9%となり、7年ぶりに低下する見通しであることを財政関係基礎データの中で示した。

 財務省の推計によると、景気の回復で国民所得が増える一方、労使折半の雇用保険料などが下がるなどの影響により、平成28年度の国民負担率は43.9%(租税負担率26.1%+社会保障負担率17.8%)で、過去最高だった平成27年度(44.4%)に比べ0.5ポイント%減と7年ぶりに低下する見通し。ただし、5年連続で40%を超えており、高水準であることは変わりない。

 国民負担率の国際比較(2013年度)をみると、OECD加盟33ヵ国中、日本は27番目(41.6%)と低い水準で、最も高いのはルクセンブルグの95.5%、最も低いのはメキシコの22.8%。高福祉・高負担のヨーロッパ各国は高く、韓国(36.0%、29番目)、アメリカ(32.5%、31番目)は日本より低かった。

 租税負担率はバブル期の平成元年・2年の27.7%がピーク。一方、医療・介護・年金などの社会保障負担率は平成元年当時10.2%だったが、高齢化の進展により年々増加しており、平成28年度は過去最高だった前年度(17.9%)に比べ0.1ポイント減の17.8%とほぼ横ばいとなる見通し。6年連続17%台で推移している。

 また、真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、平成28年度の国民所得(27年度に比べ11万7千円増の385万9千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から横ばいの6.7%となる見通し。この結果、平成28年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、平成27年度からは0.5ポイント減の50.6%となる見通しだが、引き続き5割を超えている。

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