財務省、過去最大の貿易赤字を発表
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:02/06/2014  提供元:21C・TFフォーラム



 財務省は1月27日、2013年の貿易統計を発表したが、それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が11兆4745億円の赤字となった。統計の比較が可能となった1979年以降でみると、暦年ベースの赤字は、2012年の6兆9410億円を上回って過去最大となった。

 原発停止に伴う火力発電燃料の輸入量が高止まりしている上、円安の進行が拍車をかけて輸入額が膨らみ、一方で輸出は伸び悩んだ。1~12月の全ての月で赤字を計上したのも初めてで、貿易赤字の定着を裏づけた。

 貿易赤字が膨らんだ主な要因は円安だ。2013年の平均為替レートは1ドル=96.91円となり、前年の1ドル=79.55円から21.8%の下落。円安が進むと、ドル建てで輸入される原油や天然ガスの円換算価格が膨らむ。

 このため、原油の輸入量は前年比0.6%減であるのに輸入額は16.3%増。液体天然ガスの輸入量は前年比0.2%の微増であるのに対し輸入額は17.5%増となった。これにより輸入の総額は、前年比15%増の81兆2622億円で過去最大を更新した。

 一方、輸出の総額は前年比9.5%増の69兆7877億円と3年ぶりに増加。米国向けの自動車や、中国向けのペットボトル原料となる有機化合物などが好調だった。ただ、生産拠点の海外移転などが、円安による輸出の押し上げ効果を薄め、数量ベースの輸出は前年比1.5%減少した。