「財政について聴く会」が始動
カテゴリ:17.財務省関係 トピック
作成日:10/18/2012  提供元:21C・TFフォーラム



 2013年度の予算編成に向け、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会「財政について聴く会」(会長=吉川洋東京大学大学院教授)が始動した。

 このほど財務省で開かれた初会合では、各委員から、一般会計の歳出の約3割を占める社会保障費の抑制を求める声や、財政健全化の必要性などについて意見がでたほか、国会審議で野党の協力を得られず赤字国債を発行するために必要な特例公債法案が成立していないことについては、「法案を政争の具にしてはいけない」とする意見も出た。

 財政問題を国民にとってより身近な問題として受け止めてもらうため、政府の財政に関する情報発信の方法なども取り組むべきテーマになりそうだ。

 同分科会は、2009年に誕生した民主党政権が、政治主導による予算編成に取り組むことを目指したため、当時の管直人財務相が委員数を10人減らし、役割も事実上縮小させていた。しかし、今年度は経済界や労働界、マスコミなどから13人を臨時委員として増員。今回、人数を増やしたことについて吉川会長は、「財政等の専門家でない委員が増えることで、国民に近い意見が出てくることは意義がある」と述べた。

 今後、個別の歳出テーマごとに議論を重ねて、11月末をめどに分科会としての意見をまとめ、城島財務相に提言する予定だ。